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フリート・レースのコース設置方法

だいぶ新しいメンバーも増えましたので、フリートレース運営の際のコース設置方法について記載しておきます。自分がドライバーになった時のための予習、レース運営が終わってからの反省などにご利用ください。

風向を計る

何はともあれ、風で走るヨットはこれはやらなくちゃいけません。 大体レース海面になる辺りに着いたら、風見コンパスで風向を計ってからおおよそ下マークになる辺りの見当をつけてその辺りまで移動します。振れ回っているとか風が弱いなど風軸(風の振れの中心軸の角度)が安定しない恐れが強いときは、安定した風になるまで風向を計りながら辛抱強く待ちます。北風のときなど、振れはしても風軸がだいたい決まっているようなら、その角度を基準にします。

以前プロの運営屋さんでバイトしたときは、安定した風軸の判断のために、30分くらい風向の情報を、散開させた各運営船から集めていました。あとで振れちゃって、特に水深のある場所でマークを打ち直す手間を考えれば、これも合理的な方法です。

風見コンパスでの風向の計測は、風の乱れを避けるために、フネの風上側のなるべく高い位置かつ計る本人の身体からも十分離します。フネの行き足が完全に止まっていることも確認します。特に微軽風だとフネの行き足はかなり大きな誤差になります。

レースエリアを確保する

トラブルも減らすためにも、できる限りクリアなレースエリアを確保しましょう。 風軸が安定しているようなら、下マーク相当の位置から上マークへの、両クローズの角度やサイドマーク方向など、レース艇が帆走するエリアに網などの障害物が無いか確認し、正三角形のコースが確保できそうか見極めます。障害物を避けるために下マークの位置を変えたほうがよければ移動して再確認します。「上→下」「上→サイド」「サイド→下」「スタートライン」の方位と反方位も、このときに計算しておくか「コンピューコース」などで確認しておくと良いでしょう。

下マーク設置

下マークがレースコースの基準点になります。 問題が無さそうなら下マークを打ちます。マークのアンカーロープの長さは、最低でも水深の2倍ないとマークが流されることがあります。微風ならばもう少し短くも大丈夫ですが、あとで吹いてこない保証は誰もしてくれません。

上マーク設置

上下間の距離がレースの所要時間を左右します。 下マークを打ったら、風軸方向(出来るだけ正確に!)に走って適当な距離の位置まで行きます。ここでもう一度風向を計って、必要に応じて風軸の微調整をします。もちろん下マークの方向も計って確認し、風軸上に上マークを打ちます。距離は4m/s以上ならだいたい0.5マイル(1km弱)くらいで、距離のイメージはいつもの出艇場所から逗子海岸の反対の端のデニーズの看板までの距離です。看板がどのくらいの大きさに見えていたか覚えておくと良いでしょう。

サイドマーク設置

気持ちの良いリーチングのために正確に設定しましょう。 次にサイドマーク方向にこれも出来るだけ正確に走って行きながら、同時に下マークの角度も計り続けます。コースは正三角形なので、上・下の距離と同じだけ走ったら下マークが「サイド→下」の方位角に見えるようになります。そこがサイドマークの位置です。アンカーロープが流れる分を計算して、その場所から水深の1.5倍くらい風上に上ってアンカーを落とすと良いでしょう。

スタートライン(本部船)の設置

選手にとってはラインが短いと難しくなり、長ければラクになってきます。 サイドマークを設置したらだいたいの本部船の位置まで行って、ここでもう一度風向を計って、必要に応じて風軸(=スタートラインの予定角度)の微調整をします。スタートラインの長さは「参加艇数x4~5m」くらいを基準にします。マークとは違って、船のアンカーロープの長さは水深の3倍くらいにしておかないと、吹いたら流されます。長めのアンカーロープで流される分も計算に入れて本部船を設定します。少し下有利にした方が、イーブンや上有利よりもゼネリコになりにくいです。

フィニッシュライン(フィニッシュボート)の設置

設置方法によってはフィニッシュ直前の逆転もあり得ますよ。恨まれるかも(笑) スタートラインと同じ要領で設定します。長さはセールナンバーを読みやすいように20~30mで良いでしょう。ラインの長さが短い分、アンカーを打つ場所はシビアになります。普通はラインをフィニッシュボート有利に設定すると、ボート付近でフィニッシュする艇が多くなるはずなので、セールナンバーが読みやすくなります。

蓬田